前々から北野武の教育論には違和感を感じていた。たけしは日頃「いくら努力しても才能が無ければ無駄」と言うがこの一文ににたけしの育成能力の限界が現れているだろう。
第一、あれだけ漫才を極めたたけしの元で漫才師として成功したのは浅草キッドくらいではないか。他は芸人と言うよりもタレントであったり役者であったり政治家であったり、そう言えば東京ダイナマイトは何時の間にか(たけしが散々批判していた)吉本興業に逃げていったし、オフィス北野所属の馬鹿よ貴方はは(これまたたけしが批判していた)吉本の養成所の出身である。ギャグと言えばそれまでだがこの体たらくで良くもまぁ教育を語れるものだ。
そう言えばたけしは年初のドラマで立川談志を演じていたがあれにも違和感を感じた。大体、たけしは談志の何を見ていたのだろうか。談志の立川流は師匠と弟子だがたけし軍団は私に言わせれば親分と子分である。その違いがたけしは気づかないのか、或いは見て見ぬフリなのかは解らないが少なくとも育成と言う面では圧倒的に談志の方が結果を出している。志の輔、志らく、談春、談笑……皆、咄家として大成している。
思えば談志は落語の天才でもあり育成のプロでもあったと思う。泥臭いタイプの談春を、たけしが一人前には出来まい。 たけしも、お笑いの才能があり映画監督の才能があるのだから育成の才能が無くても別に構う事は無さそうなのだか何故だか教育について語りたがるのが引っ掛かる。それは上二人の兄が文字通り「教育のプロ」として食っている事に対する、妙な劣等感にも思える。